ハイソサエティクラスのアメリカ系ユダヤ人乗船客に人気を博した「ロイヤル・バイキング・サン号」(乗船客850人)の船上で金曜日に定期的開かれるラビ主催の宗教的会合には、150 人前後の船客が参加していたといわれていました。

このようなクルーズ船客がどのように、クルーズ旅行に導かれるのか、その販路をリサーチしてみたのです。 

ロサンゼルスの某ユダヤ系旅行代理店は、当時、ロイヤル・バイキング社に、年間 200 〜250 人 を送客していたことがわかったのです。

その集客の仕掛けは、毎週恒例のシナゴークという集会所を中心とした宗教的 会合や頻繁にユダヤ人が主催する集まる席でのクルーズに対する自己体験、彼らの血縁的交流・会話などを通してのクルーズ客誘致活動などにあったのです。

また、ユダヤ人専門のゴルフクラブでの「クルーズの夕べ」等のイベントを積極的に頻繁に開催し、クルーズの魅力を語ることも忘れなかったのです。

ラグジュアリー・クルーズ客船の集客には「船上での体験」の評価が、大きな動機付けになっております。

そのためには、対面誘客活動や彼らの地縁血縁色の強い社交クラブ活動においての口伝誘客が非常に大きな意味を持っていた。情報の伝達力が、充分発揮されるという意味では「新しいクルーズ会社」の進出と言う情報発信をしなければならないのです。

 こうしたユダヤ系旅行代理店が、全国の零細旅行代理店となって、全米に広げること が重要であると判断したのです。

このようなユダヤ人社会の零細旅行代理店は、特に中西部 の白人の多い中小都市、サンフランシスコやロサンゼ ルスニューヨークなどに、顕著であったのです。 

 ユダヤ人社会マーケットの把握は、統計なども余りなく、極めて難しい挑戦であったのです。

しかし、 これらのマーケットの多くは、全米のユダヤ系政治家の地盤と奇妙に一致してました。

彼らを通して、 同じユダヤ人社会でも、第 1 次世界大戦時代からの 帝政ロシア下の中・東欧を中心としたアシュケナジー系ユダヤ人社会、その後アメリカで出生した2世、ホロコーストを経験した後の世代や、またソビエ崩壊後急激に増えたロシア出身ユダヤ系移民など、それぞれの行動パターンは異なっていることも知ったのです。

特に、近年移民して来た旧ロシア系ユダヤ系 の人たちは、旧体制下での富もあり、行動も積極的であり今後のラグジュアリー・クルーズにおい ても新しい影響を与えるものと思われたのです。 

その他、ペルシャ系やアルメニア系ユダヤ人社会とスペインなど西欧系、メキシ コなど中南米系 ユダヤ人社会の”旅行観”が違う事も発見した。さらには第 2 次世界大戦前に移住してきた人たちの子孫としてアメリカに根付いている「アメリカ化」しているユダヤ系アメリカ人と戦後のヨーロッパの政情不安で、アメリカに逃れてきた彼らとも、その考え方は異なるようでした。 

カリブ海旅行に対する考え方も、戦前から、長く東海岸に定住しているユダヤ系アメリカ人は保守的で、それほど熱狂的ではなかった。

しかし経済の発達に伴い機 会を求めて中西部に移住した第 2 世代は、カリブ海クルーズ指向が強いのです。

これは、彼らの多くが、ポーランドを初め、東欧からのユダヤ系移民で「太陽と海と青い空」に対する考え方が違うのです。

これは、遥か昔 18 世紀のゲーテ(「イタリア紀行」)や、昨今の北欧やドイツなどの富裕層 が、地中海スペインや旧ユーゴスラビア(特にボスニア・ヘルツコビア)などの海岸に、冬の住処を 求めると同じ心理なのであろう。 

ユダヤ人の客層にとって、そのサービス海域も重要で有ることが分かった。イスラエル寄港は多 くのユダヤ系の船客の強い希望であり夢だったのです。

またアメリカの南西部に旅行代理店を展開する、 スペインやフランス系出身のユダヤ人旅行代理店幹部や船客は、スペイン・南フランスなどの寄港 を提案していた。 

一方、ユダヤ系の旅行代理店から、「日本やアジア」に行きたいとの要望は、極めて少なく、 彼らにとって最も遠いデスティネーションであったのです。

彼らの日本社会との関係の疎遠さが感じられた瞬間でもあったのです。

その後、1990 年代初めから、このような地方に根を張るユダヤ系零細 旅行代理店が「ヴァチュオーソ」「シグネチャートラベルネットワーク」等の主力コンソリデーターなどの出現で集約され、現在のラグジ ュアリー客船マーケットの 40%前後は、この2つの組織によって構成されているといっても過言ではありません。 

彼らの希望するデスティネーション,

特に、イスラエルや南フランスなどは、いつでも大歓迎でした。

湾岸戦争の頃やイラク戦争の頃には、彼らは過敏に反応。

結果として、地中海クルーズは、彼らから敬遠されたのです。

その代替寄港地として、アメリカ国内クルーズであるアラスカや北欧や南太平洋クルーズが人気を集めたのです。

ユダヤ人人口:総人口比の高い10州

ニューヨーク州 1,618,320人 8.4%
カリフォルニア州  1,194,190人 3.3%
フロリダ州  653,435人 3.7%
ニュージャージー州  480,000人 5.5%
イリノイ 州 278,810人 2.2%
マサチューセッツ州 275,030人 4.3%
メリーランド州 235,350人 4.2%
コネチカット州 111,830人 3.2%
ネバダ州 69,600人 2.9%
ワシントンDC首都 28,000人 5.1%

 

 

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