ラグジュアリー・クルーズ乗船客が求めるもの、それは「日常性」

ラグジュアリー・クルーズ客のライフスタイル(客相)に視点を定めて、 さらなる具体的な 調査を依頼した Temple Barker Sloane Inc の回答によると、当時のラグジュアリー・マーケットに対する業界筋の見方は、将来、ますますクルーズ船客のライフスタイルが、活動的になり、いままで以上にラスベガスのテーマ・ パーク的な要素が求められるというものであった。

そのリポートによると、ラグジュアリー・クルーズ・マーケットは以下のような姿でした。 

・ ラグジュアリー・マーケットは、大型船と小型船に分化する。

・ 客室は大きくなり、スイート化する

(船室的な「キャビン」からラグジュアリー ホテルの「スイート」「ステートルーム」になる)。 

・食事はより多くの選択肢とメニューが求められる。

・夕食も大事であるがクルーズ客には朝食の多彩なメニューが重要。

・ カジノやラウンジなど船上における活動の選択肢が大事。 

・ 船上でのエクササイズ指向が高まる。 

・ 船上リクレーショナル施設の充実。 

・ プロダクションショー等の多彩なエンターテインメント)。 

・ ラグジュアリークルーズの評価の基本として、船客あたりの船上スペースとクルーズ船客・従業員(乗組員)比率がきわめて重要なファクターです。 

・これからのクルーズ客船では、船というハードと船上での滞在環境(人が織り成す滞在環境)の完璧な融合ができるかが成功の鍵になります。 

一般的に「ラグジュアリー」とは何か、との問いに答えるには、かなり個人的な価値観とか、主観的な感覚や経験体験が影響を与えるのです。

しかしハッキリしていたのは、 彼らの多くは、陸上のライ フスタイルの延長線で自分の好きな時に好きな事が出来るのです。

「わがままな時とチョイス(選択肢)」を 求めているとの指摘。

日本では、クルーズ旅行は、「非日常性」の体験と宣伝されていたのですが、少なくとも、アメリカの富裕層は、これとは全く反対の「日常性」が最も大切であるという事でした。

アメリカ人は、自分たちの日常生活の環境(言葉・食事・ライフ・スタイル)をそのま ま船に乗せて、寄港地と言う彼らの「好奇心」を刺激する仕掛けに、この旅行 の価値を求めているとの確信を得たのです。

アメリカのクルーズ船客は、アメリカの「日常のライフ・スタイル」をそのまま持続しながら、異国の観光地での旅を楽しむ事です。

このようにしてクルーズ旅行を満喫いたのである。

人が持つ各々のストーリーに、船上で織り成す多くの交流を通して、色をつけることを願っているようでした。

そのためには、 アメリカ人にとって、船上では極めて自然な「日常的な」舞台環境なければならなかったのです。 

船上においての行動をみれば、自分が自分の都合に合わせ、自由に選べる多くの 選択肢も必要と言われます。

新しい形の「クルーズ」は、従来から描きがちな暇な船上生活ではなく、高齢であってもそれなりに活動を求め、ビューティフル・エイジング(美しく歳をとる)ことを望んでいることが分かったのです。

彼らは、旅行の中に、好奇心を刺激することを求めていたのです。

旅行期間中といえども次に訪れる国・都市の歴史が知りたい、

絵画を見てみたい。

ダンスを習いたい、

料理を習いたい、

などといった船旅の期間を積極的に自らの生活あるいはライフ・スタイル のリセットにしようとするクルーズ客が多いことも判明したのです。

このような好奇心や探究心でさらな るクオリティの高い人生を求めていることがよく理解できたのです。

いまや、これらアメリカの富裕層の言う” ラグジュアリー”は、「物的価値」ではなく 「経験価値」であるとの判断に至ったのです。

彼らには、「モノ」を持つ喜びよりも、クルーズ客船で船上での出会いとか、経験を心に刻む事により価値を置いているのです。 

船上での「経験価値」を究めていくと、このクルーズは、日本で宣伝されるような「非日常性」ではなく「日常性」が「鍵」です。

非日常性 の持つ固苦しさは、滞在型の旅行では持続しないのです。

多くのアメリカ人は、アメ リカでの生活スタイルを変えずに異国を旅行するというところに、自分達の新しい旅の形を発見していたのです。

外国を旅行するのに「自国での生活(特に英語と食事)」をそのまま、即ち日常的なライフ スタイル環境を維持しながら旅行できる事に、クルーズ旅行の良さを見出していたのです。

これらの旅行 者の新しいニーズに合わせるため、サービスを提供するクルーズ客船運航会社は、旅先(寄港地という旅行先と船と言う滞在・リゾート環境)での「生活」に、旅行者の究極の満足でもある「(旅行者の)開放感」や「サービスを受ける快感」「選択肢が多く、好きなときに好きなことが出来る気ままな滞在環境」など宣伝文句を加え、新しい旅行マーケットを開拓したのです。

このようなサービス・ プロバイダー(提供する側)の配慮により、彼らはクルーズ旅行の持つ旅行の気ままさに加え、1時間当たりの充実度にも感激していました。 

この新しい旅のカタチを追及していくと、旅の充実感とか満足度には「時間」を 機軸に置くこと の重要性を認識したのです。

当時の海外旅行の形(時間の有効利用と一時間当たりの満足度)を分析し横軸 に時間を置き、縦軸にその日の時間毎との充実度を積み重ねる方法をとりました。

このような、クルーズ旅行の実態と可能性を調べていくと、例えば 10 日間のクルーズの場合、1日 8 時間 (80 時間)の睡眠以外の正味活動時間 160 時間の使い方が「旅の充実度や満足度」の評価の深層に流れていることがわかるのです。

この時間をどのように刺激するかがポイントであると判断したのです。

空路や陸路を中心とした旅行の待ち時間(空港・ホテル・レストラン・移動のための 時間)のロスタイム。

異国における言葉の違いから来る意思の疎通の難しさ、

例えば、パリの高級 レストランに行っても、フランス語メニューでは食べ物が出てくるまで自分が何を注文したか判らないなど、

旅行の「負の部分」をクルーズ旅行では出来るだけ解消し・軽減しようとする努力をしていたのです。

このような極め細やかなシステム構築が、当時の旅行者にとって、陸上の旅行などよりも 圧倒的な支持を 得るための黄金律として定着しつつあった。

これを実現するための「環境」「人的要因」「(旅行時間の)効率的な配分とその評価」などの必要性を知るにはそれほどの時間を要しなかったのです。

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