アメリカ航空産業の規制緩和とクルーズの関係

第二次世界大戦後、アメリカ空軍用航空機製造会社は、商業旅客機の建造に切り替えました。

 

当時、航空機を利用した海外旅行は、まだ庶民には手が出るレベルではなかったのです。

 

しかし戦後ハリウッド映画やテレビの番組は、多くの人々の 海外旅行への「憧れ」や自分たちの生活様式の変化を刺激していたのです。

 

アメリカの航空会社は、当時は未だ新しい分野でもあったファッションなどのライフスタイル系メディアが飛行機によるヨーロッパ旅行の利便性や新しい「旅のパッケージ」を宣伝したこともあり、大西洋を超える旅行は着実に増勢傾向を見せていたのです。

 

 そして時間に対する感覚も大きく変化。

 

大西洋を挟む国際間の人流は、従来の定期客船から、急激なスピードで空の旅へとシフトが進みつつあったのです。

 

大西洋ではパン・アメリカン航空(現在のユナイテッド航空)がヨーロッパとアメリカの本土を海で結ぶ豪華客船と対抗すべく、快適でサービスの行き届いた機内の雰囲気 を売りにしていた。

 

パン・アメリカンによる世界一周便の出現は1947年。

 

一方イギリスのBOACは1949 年に投入されたコメット機で、ニューヨーク/ロンドン間初飛行(58 年)を行い、ジェット機時代の到来を確信したのです。

 

欧米の主要港間の点と点を結ぶ北大西洋航路船客輸送も「輸送・移動」の スピードと利便性を宣伝するジェット機を主力とする航空会社に客を取られ、撤退を余儀なくされることになったのです。

 

その結果、大西洋の女王で豪華客船の代表であった「クイーン・メリー号」も米西岸ロング ビーチに安住の地を求めることとなったのです。 

 

1969 年のボーイング 747 型機の「大型旅客機」のテスト飛行による初飛行、翌年1月(1970年)のパン・アメリカンによるアメリカ主要都市とヨーロッパの主要都市間の定期空路開設で、ジェット旅行時代の到来。

 

空の「大量輸送時代」へと変質して行くことになる。海外旅行におけるマ ーケットシェアとスケールメリットコンセプトが幅を利かし、アメリカの航空会社を中心とした炸 裂な集客戦争が展開される予兆でもあったのです。

 

このような時代背景の中、アメリカのカーター・レーガン政権の主導する「規制緩和」はこの空の競争を、更に勢いをつけさせることとなった。

 

カーター大統領は、1978 年 10 月 24 日航空会社規制緩和法(Airline Deregulation Act of 1978)に署名。

 

その後、次のレーガン大統領に引き継がれた規制緩和関税法は「航空機の大型化」「サービスの規制緩和」の二つの側面を持ちながら、更に厳しい自由競争「空の大競争時代」に突入したのです。

 

1991 年にはアメリカにおける航空業界で国際線の雄として一 時代を築いたパン・アメリカンの国際線の権益が、ユナイテッド航空に、東岸での有力会社であったイースタン航空がデルタ航空に吸収された。 

 

サービスのサプライヤーである航空会社は、更なる新しい需要の掘り起こしが必要隣より自由な料金設定や臨時便増発などを背景に、大口団体旅行グループとの個別契約や、マイレージ・システムなどを含めた顧客ロイヤリティ・システムの導入で、客層の囲い込みに入り、リピーター層の確保を担うこととなった。

運行面においても、スケールメリットとコスト減を求めている「ハブ空港コンセプト」を導入した。 

 

航空業界の規制緩和による環境の急変は、カリブ海クルーズの大衆化に大きく貢献した。クルー ズ会社は、航空会社との新しいつきあい方が、全米からの集客力にも影響を与えるようになったのです。

 

カリブ海を中心とするクルーズ運営に、大きな影響を与えるようになった。

カリブ海型のゾーン(海域)を対象とするクル ーズ 会社は、「ホーム・ボート」を中心として問題は、集客した全米中の船客をいかに、マイアミの様々なホーム・ポートに集めるかが、非常に重要なロジスティック戦略のになったのです。

 

マイアミやフォートローダデルなど、ホーム・ポートには、 年間数百万人単位のクルーズに乗下船する通過客が存在するのです。 

 

彼らの多くは、全米の各年から集められ、基点港まで航空機を利用することになります。

 

クルーズの乗船客と下船客が大手航空会社にとっては、往復パッケージの格好の「グループ旅行客」と映った。

 

航空会社としては、クルーズ会社は彼らを抑える船客や船上従業員などの大量予約という旅行層の癖を抑え ており、魅力的な顧客であった。クルーズ会社も、この制空力を行使したのです。

 

臨時便契約や大量特約料金や臨時チャーター便などの手配などを行い、乗下船の「人流」を確保。

 

航空会社との提携で、航空機との組み合わせた船旅が一般的になり、多くのクルーズ会社は、社内に航空券発券システムを持ち、クルーズ料金に航空料金も組み込む、空港も巻き込んだロジスティックを構築したのです。 

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